tnk_kami
GF14-5号掲載シナリオフック「神の住む山」を元にしたシナリオです。
●今回予告
妖異に苦しめられている村があった。
英傑は民の声を聞き、妖異を退治する。
だが、翌朝にはふたたび妖異に苦しめられている村の姿があった。
英傑たちは、村の秘密を解き明かし、救うことが出来るのか?
天下繚乱RPG
『神の住む山』
天下繚乱綾錦、いざ開幕!
●シナリオハンドアウト
◆PC1:旅の途中で行き倒れる
コネクション:鬼怒(きぬ) 関係:恩人
クイックスタート:流浪の剣客(『天下』P53) コンストラクション:指定なし カバー:旅人
キミは旅の途中、空腹に耐えられなくなり倒れこんだ。
キミを助けてくれたのは、鬼怒という少女だ。
彼女は何かを諦めたような目つきで、この村から早く去ったほうがいい、と言った。
この村に、そして彼女に何があったのか。キミは気になった。
◆PC2:かつてこの村で恩を受けた
コネクション:村の人々 関係:借り
クイックスタート:蘭学の探求者(『天下』P63) コンストラクション:指定なし カバー:指定なし
もう十年以上も昔、キミはこの地を通りがかり、大変な恩を受けた。
未熟だったキミはそこで助けを受けなければ死んでいただろう。
今、キミはこの地に住まう人々が難儀していると聞いて、あのときの恩を返すときが来たことを悟ったのだ。
……だが、妖異を倒した翌日。キミが救ったはずの村は、変わらず妖異に生贄をささげることを強いられ苦しんでいたのだ。
◆PC3:玉梓から依頼を受ける
コネクション:あづな 関係:憎悪
クイックスタート:夜の疾走者(『天下』P59) コンストラクション:指定なし カバー:指定なし
キミのもとに、突然白い犬が現われる。
玉梓と名乗る犬は、あづなという妖異がとある村を支配し、人々の魂を苦しめているという。
罪もなき人々を苦しめる妖異は放ってはおけぬ。キミは旅立ちの支度を始めた。
※PC3のオープニングは差し替えても構いません。GF18-5を持っている人は他のオープニングチャートを振ってみるなどしてもよい。
●レギュレーション
【プレイヤー人数】2~3人
【必須環境】天下繚乱RPG基本ルールブック、京洛夢幻
【使用可能ルールブック】江戸絢爛、太閤幻想、国士無双、時空破断、快刀乱麻、ギャラクシーリプレイ1~2
【経験点】初期作成
【ステージ】基本ステージ、関東地方のどこかにある名もなき山間の村
【制限】アストロノーツは不可
【備考】麒麟児覚醒のイベントが挟まるのでPC間の奥義バランスはてきとーでいいです
※麒麟児覚醒があるので、GM(できればPL全員)に京洛夢幻があることが望ましい。
多人数用に改造する場合の指針
4人用、5人用に改造する場合、PC2や3の立場に複数のキャラクターを配置するとよいだろう。
例えば、PC4はPC2とコンビを組んで妖異退治の依頼を受ける、PC5はPC3とともに玉梓から依頼を受ける、といった具合だ。
その場合、オープニングではコンビを組むPCたちが登場するシーンとなり、宿星はそのシーンに登場するすべてのキャラクターに与えられる。
エンディングは合同でもよいし、思いつくなら(希望があるなら)個別でもよい。
人数が増えた場合、データ部分に以下の改造を行う
・ミドルフェイズでの戦闘で「だんびらの男たち」の人数を[PC人数体]に変更する。
・クライマックスフェイズでの戦闘で「群魎」を[PC人数体]に変更する。
また、4人の場合、あづなの【HP】を+30、奥義に《疾風怒濤》《千変万化》を追加する。
5人の場合、さらにあづあの【HP】を+30、《驚天動地》《妙計奇策》を追加する。
登場人物一覧※ネタバレ注意
※登場人物
鬼怒:村の真相に気付いているが、妖異から逃れることは出来ぬと諦めている少女。エキストラ。彼女の意志を呼び覚ますことでクライマックスフェイズに進むことが出来る。
一人称:私 二人称:あなた、名前+さん 口調:~~です
あづな:村を操り人々の魂をしゃぶり続けている妖異。村長を楔とし幻術を発生させており、「生贄を差し出す哀れな村人」を演じさせている。
一人称:我(われ) 二人称:お前 口調:なんか偉そうに
シナリオ本文
オープニングフェイズ
●シーン1:山の妖異(シーンプレイヤー:PC2)
他PCは登場不可
村長に頼まれ、妖異を倒すシーン。妖異はエキストラであり宣言のみで倒せる。だが、その翌日、何も変わらない村を目の当たりにする。
あれは何年前のことだっただろうか、かつてキミは、この地にある村で恩を受けた。
その助けがなければおそらく今この場にキミという人物は存在していないだろう。
そして、風の噂にキミはかの村が助けを求めていることを知ったのだ。それも、英傑であるキミでなければ解決できない事だ。
【村長】「山奥に妖異が住み着いており、我々に生贄を強要してくるのです。PC2どの、この妖異を是非退治していただきたい」
村の長はそう言ってキミに平伏する。
果たして山奥へ向かうと、人間を丸呑みできそうなほどの大蛇が、血のように赤いよだれをしたたらせていた。
【妖異】「貴様があらたな生贄か? なかなかうまそうなやつだ」
この妖異はエキストラです。
【妖異】「ばかな、このわしがやられるなど……!」
妖異を倒したその日、キミは大いに感謝され、村ではささやかな宴が催された。
だが、翌日キミは奇妙な光景を目にする。
村長の顔はつらそうに歪み、床に頭をこすりつけてキミに懇願する。
【村長】「山奥に妖異が住み着いており、我々に生贄を強要してくるのです。PC2どの、この妖異を是非退治していただきたい」
……昨日、キミが倒した妖異は一体なんだったのだろうか?
【宿星:村を救う】を渡して、シーンを終了する。
※サイドバー「妖異を倒した事実について村長に聞く」
村は妖異が倒された時点でループするため、村長はPC2が妖異を倒したことを認識できない。
既に依頼を受けていたことに関しても覚えておらず、不思議そうに返す。
●シーン2:玉梓の依頼(シーンプレイヤー:PC3)
他PCは登場不可
PC3のもとに玉梓が現われ、妖異を倒せと命じるシーン。
キミがふらりと散歩に出ていると(何がしかの仕事帰りでもよい。演出は適宜プレイヤーと相談して決定せよ)、突然白い犬が現われる。
白い犬は少女に姿を変じると、キミに話しかけてきた。
【玉梓】「我は神仏の使いなる玉梓なり。英傑よ、山間の小さな村にあづなという妖異が住み着き人々を苦しめておる」
【玉梓】「PC3よ、この事件を解決せよ」
玉梓の言うことに従う義理はないが、無辜の民を苦しめる妖異は許しておけぬ。
キミは旅立ちの支度を始めた。
【宿星:妖異を倒す】を渡して、シーン終了。
●シーン3:一宿一飯の恩(シーンプレイヤー:PC1)
他PCは登場不可
行き倒れていたPC1が、鬼怒という少女に救われるシーン。鬼怒はPC1に村から去るよう告げる。
キミは気がついたら、小さな家の中で目を覚ました。
囲炉裏では、鍋が美味そうな匂いを立てている。腹がぐうと鳴った。
【少女】「よかった、気がついたのですね」
化粧っけのない純朴そうな少女が、キミの顔を覗き込んでいた。
【鬼怒】「私は鬼怒。あなたは、この村の前で行き倒れていたんですよ」
【鬼怒】「そこにお雑煮を用意してありますから。たくさん食べて行ってくださいね」
雑煮は米の団子と水菜を煮込んだものだ。しょうゆで味付けされており、油揚げがいい味を出している。
【鬼怒】「それを食べたら、この村を去ったほうがいいですよ」
【鬼怒】「別に、よそ者だから邪険にしているわけじゃありません。この村には、よくないものがありますから……」
そう語る鬼怒の目には、何かを諦めたような影があった。
【宿星:鬼怒に恩を返す】を渡して、シーン終了。
ミドルフェイズ
●シーン4:PC3、村に到着する(シーンプレイヤー:PC3)
登場難易度:6
PC3が村に到着するシーン。
涼やかな風が頬をなでる。
どこにでもありそうな、山間の小さな村のようだ。
だが、農作業をする人々も、外で遊ぶ子供も、どこか悲しげな表情をしているような……。
情報交換を行う。交換すべき情報は以下のとおり。
PC1:鬼怒という少女が何かを知っていそうだ
PC2:妖異を倒したが、翌日には元通りになっていた
PC3:あづなという妖異が村を苦しめているらしい
適切な情報交換が行われたらシーン終了。
●シーン5:いけにえの少女(シーンプレイヤー:PC1)
登場難易度:6
生贄にされそうになった少女が、PC1に助けて欲しいと頼むシーン。
ふと、何かに引っ張られたような感じがした。
見ると、まだ幼い少女がべそをかきながらキミの袖を掴んでいる。
【少女】「あたちね、“いけにえ”っていうのになるんだって」
【少女】「しにたくないよ……たすけて……」
他PCが登場する場合、情報交換を行う。
PC1:鬼怒という少女が何かを知っていそうだ
PC2:妖異は倒しても、翌日には元通りになってしまう
PC3:あづなという妖異が村を苦しめているらしい
少女に返答したらシーン終了。他のPCが登場した場合、適切な情報交換が行われたらシーン終了となる。
※合流後の行動
プレイヤーになるべく自発的に何をやるかを考えてもらうのを理想としている。
PCが合流した時点で、GMはすみやかに情報収集へ移行しても構わない。ただし、その前の段階でシーンを発生させると情報収集で有利になることは伝えるべきだろう。
PCが行動を行う場合、想定しているシーンは「村の外へ出てみる」「山の妖異を倒す」「鬼怒に話を聞く」「何もしない」のいずれかである。
それ以外の場合は適宜GMがシーンを作成すること。
●シーン6:山の大蛇(シーンプレイヤー:PC2)
全員登場
山に住むという妖異を倒すシーン。妖異はエキストラである。
山奥へ向かうと、人間を丸呑みできそうなほどの大蛇が、血のように赤いよだれをしたたらせていた。
【妖異】「貴様があらたな生贄か? なかなかうまそうなやつだ」
この妖異はエキストラです。宣言のみで倒せます。
【妖異】「ばかな、このわしがやられるなど……!」
妖異を倒したその日、キミたちは大いに感謝され、村ではささやかな宴が催された。
だが、鬼怒という少女だけは違った。意味ありげな、悲しそうな表情を浮かべて遠めにキミたちを見ている。
夜ももう遅い。このまま寝てしまおうか、それとも問いかけてみようか。
※選択肢
寝る場合、描写2へ。問いかける場合はシーン9へ。
・描写2
そして翌日。キミたちは奇妙な光景を目にする。
村長の顔はつらそうに歪み、床に頭をこすりつけてキミに懇願する。
【村長】「山奥に妖異が住み着いており、我々に生贄を強要してくるのです。PC2どの、この妖異を是非退治していただきたい」
……昨日、キミが倒した妖異は一体なんだったのだろうか?
妖異を倒し、村人達が感謝する場面が演出されたらシーン終了。(描写2をやる場合、依頼に対して返答をした時点でシーン終了)
●シーン7:妖の囲い(シーンプレイヤー:PC1)
全員登場
妖異によって村が閉ざされており、脱出不能であることを知るシーン
にわかに雲行きが怪しくなってきた。まだ昼間だというのに、どこか薄暗い。
鬼怒の言葉を思い出す。「早々に村から立ち去ったほうがよい」と。
だが、実際に去ってみると、いつの間にか村の入り口に戻ってきてしまう。
何かのまじないによって村から出ることはできないようだ。
村から出ることが出来ないことを演出したらシーン終了。
●シーン8:捧げられるいけにえ(マスターシーン)
登場難易度:6
PCたちが行動しなかった場合どうなるかを演出するシーン。プレイヤーが自発的に合流や情報収集へ向かう意識を持っている場合は発生させないこと。
山道を人ひとりが入れそうな大きな籠を運ぶ、数人の男たち。
籠の中には、縛られた幼い少女が泣いていた。
男たちは、山頂にて“とぐろ”を巻いている大蛇の前へ着くと、籠を下ろした。
【大蛇】「これが今回の生贄だな?」
男たちは恐怖の表情で頷き、籠を置いて去る。
【大蛇】「ふふふ、うまそうな小娘よ」
大蛇が血のように赤いよだれをしたたらせ、大きな口をあけた。
シーンエンド
●シーン9:薄闇の中で(シーンプレイヤー:話を聞くPC)
登場難易度:8
鬼怒に話を聞くシーン。
日もだいぶ暮れてきた頃、キミは鬼怒を訪ねた。
(シーンプレイヤーがPC1なら)
【鬼怒】「立ち去られたほうがよいと言いましたが、遅かったようですね……」
【鬼怒】「すみません。私が村に連れ込んだばかりに」
(シーンプレイヤーがPC1以外)
【鬼怒】「あなたは……村にいらした英傑の方ですね」
鬼怒はキミの顔を見るなり、悲しそうにうつむく。
その表情は、何かを知ってしまったがゆえの悲哀、そのように見えた。
【鬼怒】「悲しいですが、あなたたちもそのうち分かると思います」
【鬼怒】「この村は終わりなのです。あなた方も諦めたらどうですか? ここは何もない村ですが、こんな所でも住めば都というでしょうし」
【鬼怒】「詳しいことは言えません……。言えばあなたがたも絶望が生まれ、妖異の糧となってしまうでしょう」
【鬼怒】「もう夜も遅いですし、寝ましょう」
※プレイヤーが辛抱強く説得するようなら、「シーン12:鬼怒」の説得判定を前倒ししてもよい。
その場合、情報収集項目「▼鬼怒」は判定する必要がなくなる。情報収集シーンから削ること。
PCと鬼怒の会話がひと段落したらシーン終了。
●情報収集シーン
登場自由
情報収集シーンである。ひとり1回まで、情報収集を行うことができる。判定値は演出があれば自由にしてよい。迷ったら【理知】か【幸運】とせよ。
項目は以下のとおり。
▼村を苦しめている妖異(難易度:12) ※「山の大蛇」のシーンを発生させている場合難易度-3
▼あづな(難易度:12)
▼鬼怒(難易度:14) ※「薄闇の中で」のシーンを発生させている場合難易度-3
以上。
▼村を苦しめている妖異
月に一度、村人の中から生贄を要求する妖異。
生贄を捧げなければ、村に下りてきて村人を食い殺すという。
実はこの妖異は幻術によって生み出されたものだ。
何者かの手によって現出した実体を持つ幻であり、術者を倒さねば消えることはない。
以上。
▼あづな
人の霊魂を操る妖異。
実は村人たちは鬼怒を除いてあづなによって食い殺されており、今いる村人たちは霊魂を妖術で実体化させられているだけである。
妖異が倒されるか、いけにえが捧げられることで村の時間がリセットされ、ふたたび同じ一ヶ月を繰り返すようになる。
あづなは「妖異に苦しめられる哀れな村」を演じることで、苦痛に嘆く村人達の魂を味わっている。
この村に取り込まれた者は、いずれ死に至りあづなの操り人形となる。
以上。
▼鬼怒
数年前、この村に移り住んできた少女。
村の秘密を知っており、妖異の正体とその居所も知っている。
だが、自分には妖異を倒せる力がないため、この村から逃れる術はないと諦めている。
彼女を説得し、情報を得ることであづなのもとへ近づけるようになるだろう。
以上。
●シーン10:亡者たち(シーンプレイヤー:PC2)
登場自由
妖異について調べると発生するトリガーイベント。戦闘が発生する。
キミの眼前に、凶悪な面構えの着流しの男が三人立ちふさがった。
距離は5メートル。いずれも抜き身のだんびらを手にしている。
【男たち】「この村の真実に気付いたな」
【男たち】「ならば、消さねばならぬ。それがあづな様の望み」
戦闘が片付いたらシーン終了。
(PC)5m(男ABC)
男たちの【行動値】はいずれも9。
◆だんびらの男たち
種別:妖異 レベル:5 サイズ:1
体:15/+5 反:15/+5 知:16/+5 理:8/+2 意:6/+2 幸:9/+3
命中:8 回避:5 魔導:5 抗魔:4 行動:9 HP:35 MP:20
防御修正:斬1/刺0/殴0
奥義:《一刀両断》《剣禅一如》
攻撃:だんびら 対象:単体 射程:至近 攻撃力:〈斬〉+8
特技:なし
解説:あづながPCたちを始末しようと送り込んできた刺客。かつて英傑であったことを表すため、奥義を使用して来る。
戦闘プラン:もっとも近いPCを攻撃する。最初の攻撃に《剣禅一如》《一刀両断》を使用すること。
マイナーで戦闘移動、メジャーでだんびらによる物理攻撃。「対象:単体」「射程:至近」
2d6+8 A命中
2d6+8 B命中
2d6+8 C命中
1d6+8 〈斬〉属性
1d6+8+10d6 〈神〉属性
2d6+5 A回避
2d6+5 B回避
2d6+5 C回避
2d6+4 A抗魔
2d6+4 B抗魔
2d6+4 C抗魔
・HP管理
男A :35
男B :35
男C :35
●シーン11:無念の声(シーンプレイヤー:PC3)
全員登場
あづなの術中にはまり食い殺された英傑の無念を受け継ぐシーン。「シーン10:亡者たち」の戦闘に勝利することで発生するトリガーイベント。麒麟児覚醒が行われる。
男たちを倒すと、倒れたその体からぼんやりとした火の玉が浮かび上がってくる。
ビョオ、と強い風が吹いた。よく聞けば、火の玉が何かを訴えかけている。
【人魂】「我らはあづなの術中にはまり、死ぬまで妖異を退治しつづけることとなった者たちだ」
【人魂】「死んでからは、こうして真実に近づいた英傑の口を封じさせられていたのだ」
【人魂】「だが、お前達なら我らの呪縛を解けるやもしれぬ。どうか、この悲劇の村を終わらせてほしい……」
真実に気付かなければ、キミたちがこうなっていたのであろう。
かつての英傑たちの遺志を受け継ぎ、宿星が輝く。
全員に【宿星:あづなを倒す】を渡します。麒麟児覚醒が発生し、このシナリオの間PCはそれぞれ奥義をひとつ得ます。
獲得できる奥義は、《黄龍顕現》と「GMの任意」以外の任意のもの。迷ったならばPC1:《一刀両断》PC2:《破邪顕正》PC3:《起死回生》とせよ。
獲得する奥義を決めたらシーン終了。
●シーン12:鬼怒(シーンプレイヤー:PC1)
登場自由
鬼怒を説得するシーン。鬼怒を調べることにより発生するトリガーイベント。
【鬼怒】「村の秘密に気付いたようですね。でも、もう手遅れ……あづなを倒すことは誰にも出来ないのです」
【鬼怒】「だから言ったでしょう、早くこの村から立ち去るようにと……」
鬼怒は、悲しげな顔でそう言った。
説得する場合、【意志】による難易度16の判定を行う。成功すると、妖異の正体を語ってくれる。
適切なロールプレイによる説得がされた場合、難易度が-4されます。
それ以外の情報は以下のとおり。
失敗 :説得することはできない。
クリティカル:妖異の弱点を教えてくれる。ボスの〈神〉以外の防御修正-5(最低0)。
ファンブル :鬼怒に影響され諦観の念が生まれてしまう。【MP】を3D6点失う。
再挑戦 :【MP】を1D6点失うことで再挑戦可能。再挑戦するごとに難易度-1。
ロールプレイ要素は「英傑だから妖異は倒せる」「鬼怒にはPC1を拾って村に連れ込んだ責任がある」など。なんかそれっぽい事を言ったら-4する。
【鬼怒】「そう、あなたたちは英傑だから、妖異を倒せるというのですね。……そこまで言うなら、信じてみましょう」
【鬼怒】「あづなはこの村そのものを操っています。その幻術の要になっているのは、村長です」
【鬼怒】「村長にかけられた術を解くことで、村は本来の姿を取り戻すでしょう。でも、あづなを倒さなければそれも一時のこと」
【鬼怒】「あづなは、村人たちの霊魂が苦しむのを眺めているのです。術さえ解けば姿をあらわすことでしょう」
PCが村長の家へ向かったらシーン終了。
●シーン13:妖術破れたり(シーンプレイヤー:PC2)
全員登場
村長を何とかするシーン。
村長の家。他の家よりも大きい土間を抜け、囲炉裏のそばに悲しげに座り込んでいる村長がいる。
【村長】「おお、PC2どの。調子はどうですかな」
村長はエキストラで、宣言のみで術を解除できます。
演出が思いつかない場合、村長の肉体に仕掛けられた妖術を呪文によって解く、などとするのがよいのではないでしょうか。もちろん斬り捨ててもよい。どのような演出であれ、術は解除される。
キミが術を解くと、村長の体は、物言わず倒れる。
その体からぼうっと火の玉のようなものが浮かび上がり、キミに何かを告げる。
聞こえぬほどのかすかな声だが、キミたちに感謝をしているように感じられた。
そして術が晴れ、にわかに雨が降り出す。
村はずれの墓地に、一筋の稲光が走った。
そちらの方角から、ぞくりとするような妖異の気配を感じる。
村長の術を解き、墓場へ向かったらシーン終了。
クライマックスフェイズ
●シーン14:対決(シーンプレイヤー:PC1)
全員登場
どこかで鴉がカァ、と鳴いた。
半ば崩れかかった卒塔婆と墓石の群れだけがキミたちを迎え入れる。
ここは生者のための場所にあらず。
一足先に黄泉路に足を踏み入れたものの場所。
その中央。鉛色の雲の下、墓石に座り、男とも女とも付かぬ奇妙な人物が笑っていた。
――妖異だ。気配でそれが分かる。
【あづな】「よくも我が幻を打ち破り、ここまで来たものよな」
【あづな】「大人しく山の妖異と戯れておればよいものを」
【あづな】「だが、ここまで来た英傑に絶望の味を教えてやるのもよいものかもしれぬ」
(攻撃時)
【あづな】「我が幻術、とくと味わうがいい!」
(倒された)
【あづな】「ばかな……存在が消えてゆく……! おのれ……っ!」
(PC)5m(あづな、群魎ABC)
【行動値】はあづな(9)→群魎ABC(8)
◆あづな
種別:妖異 レベル:20 サイズ:1
体:10/+3 反:14/+4 知:16/+5 理:21/+7 意:24/+8 幸:9/+3
命中:9 回避:6 魔導:10 抗魔:7 行動:9 HP:200 MP:80
防御修正:斬6/刺8/殴10/雷10
防御修正:斬1/刺3/殴5/雷5(※「シーン12:鬼怒」での説得判定にクリティカルした場合)
奥義:《一刀両断》《秋霜烈日》《秋霜烈日》《広大無辺》《疾風怒濤》《破邪顕正》《一蓮托生》《千変万化》《剣禅一如》
攻撃:夢幻の武器 対象:単体 射程:至近 攻撃力:〈斬〉〈刺〉〈殴〉+15
幻術により刀、槍、鎚など無数の武器を生み出して攻撃する。このエネミーの物理攻撃は攻撃時に〈斬〉〈刺〉〈殴〉の任意の属性を決定すること。
特技:
《外道属性》(BSを受けた際、【HP】5点失って無効化。HP0になった際にただちに死亡する。『天下』P220)
《攻撃力UPⅠ》(ダメージロール+1D6。『天下』P221)
《妖術:雷》(メジャー。単体/20m、〈雷〉3D6ダメージ。『天下』P157)
《妖力拡大》(オート。《妖術》の対象を「範囲(選択)」に変更。『天下』P157)
《武神の手》(命中判定のC値-1(下限9)。『天下』P92)
《無双への階》(物理攻撃の命中判定のC値-1(下限9)。『天下』P118)
《破重撃》(メジャー。単体/武器。物理攻撃を行う。ダメージ+1D6。『天下』P93)
マイナーなし、メジャー《妖術:雷》《妖力拡大》。「対象:範囲(選択)」「射程:20m」に特殊攻撃。
2d6+10 C値11
4d6 〈雷〉属性
マイナーなし、メジャー《破重撃》。「対象:単体」「射程:至近」。幻術により刀、槍、鎚など無数の武器を生み出して攻撃する。このエネミーの物理攻撃は攻撃時に〈斬〉〈刺〉〈殴〉の任意の属性を決定すること。
2d6+9 C値10
3d6+15 〈斬〉属性
3d6+15 〈刺〉属性
3d6+15 〈殴〉属性
2d6+6 あづな回避
2d6+7 あづな抗魔
◆群魎(『天下』P229)
種別:妖異 レベル:3(モブ) サイズ:1
体:15/+5 反:9/+3 知:8/+2 理:6/+2 意:7/+2 幸:9/+3
命中:6 回避:4 魔導:6 抗魔:5 行動:8 HP:22 MP:12
防御修正:斬0/刺3/殴4
武器:取り付き 射程:至近 対象:単体 攻撃力:〈殴〉+6
特技:《弱点属性Ⅰ:斬》《呪い:邪毒》
《弱点属性Ⅰ:斬》があるので〈斬〉と〈神〉にはダメージ+2D6。
マイナーで戦闘移動、メジャーで取り付きによる物理攻撃。「対象:単体」「射程:至近」。《呪い:邪毒》があるためダメージを受けた場合邪毒1。
2d6+6 命中。C値12
1d6+6 〈殴〉属性
2d6+4 群魎A回避
2d6+4 群魎B回避
2d6+4 群魎C回避
2d6+5 群魎A抗魔
2d6+5 群魎B抗魔
2d6+5 群魎C抗魔
・HP管理
あづな:200
群魎A:22
群魎B:22
群魎C:22
・奥義管理
《一刀両断》
《秋霜烈日》
《秋霜烈日》
《広大無辺》
《疾風怒濤》
《破邪顕正》
《一蓮托生》
《千変万化》
《剣禅一如》
戦闘プラン:
あづなは最初の行動で《妖術:雷》《妖力拡大》を使用し、なるべく多くのPCを攻撃する。
エンゲージしてきたPCがいる場合、物理攻撃に切り替える。最初に行う物理攻撃には《広大無辺》を使用して対象をPC全員に拡大する。
奥義はなるべく攻撃に使用するとよい。
群魎はもっとも近いPCに接近し攻撃を行う。対象はランダム。
※プレイヤーふたりの場合、【HP】を-50し、奥義から《一蓮托生》《疾風怒濤》を削除する。
エンディングフェイズ
好きに汁
一応考えておくと
PC1:鬼怒にお礼を言われるシーン
PC2:村の人々の霊魂にお礼を言われるシーン
PC3:玉梓に「えらいっ」て言われるシーン
●シーン15:旅立ち(シーンプレイヤー:PC1)
鬼怒はキミをまっすぐに見つめ、化粧っけのない顔をほころばせている。最初の何もかも諦めた表情が嘘のようだ。
【鬼怒】「まさか、妖異を倒せるとは思いませんでした」
【鬼怒】「これもみんな、PC1さんたちのおかげです。ありがとうございました」
PCが鬼怒の言葉に答え、村を後にしたらシーン終了。
●シーン16:救われた村(シーンプレイヤー:PC2)
妖異は倒され、空を覆っていた暗雲が晴れる。
太陽が差し、あたりをきらきらと照らす。
ぼんやりと村人達の魂のようなものが、きみの周囲に集まり、やがて天に昇って行った。
彼らは皆一様に「ありがとう」「PC2よありがとう」と感謝の念を告げていた。
PC2が村人を弔ったらシーン終了。
●シーン17:白い犬(シーンプレイヤー:PC3)
見事妖異を打ち倒したキミのもとに、見覚えのある白い犬がやってきた。
【玉梓】「我は神仏の使いなる玉梓なり。英傑よ、妖異あづなを倒したその手腕、見事であった」
玉梓との会話がひと段落したらシーン終了。
アフタープレイ
『セッションに最後まで参加した』『セッションの進行を助けた』『場所の手配、提供、連絡や参加者のスケジュール調整などを行なった』各1点、
『倒した敵のレベルの合計に奥義の数を足して56÷PC人数3』18点、『登場したシーン』3点、
『宿星を達成した』シナリオで渡した宿星はいずれも1点。パーソナル宿星を達成した(表現した)場合はさらに1点。
『よいロールプレイをした』『他のプレイヤーを助けるような発言や行動を行なった』は自薦他薦を募ること。
- 最終更新:2014-12-28 16:13:06